エアコンなどの上手な使い方



1.適切な室温
同じ設定温度でも機器により個体差がありますので絶対的な数値はありませんが、冷房の場合、26度から28度程度、暖房の場合18度から22度の範囲が目安です。扇風機などと併用することで効率が良くなります。乳幼児がいるご家庭でも、大人が我慢しなくて済む程度の冷暖房で良いと思います。

某有名メーカーのサイトには「省エネを気にして、手動で微風や弱風にする方もおられますが、冷房時の風量設定は自動にするのがおすすめです。そうすることで、お部屋が冷えるまでは強風で、その後は微風という具合に、最も効率よく、快適に冷えるよう風量調整を行ってくれます。」と書いてあります。


2.除湿機か加湿器か？
空気の乾燥は咳などの呼吸器症状や乾燥性皮膚炎を悪化させます。湿度計を買いましょう。デジタルの温度計湿度計が1000円から2000円程度です。年間を通して湿度計で湿度をチェックして、自宅の湿度の推移を把握することが大事です。湿度60％程度（50〜70%）に維持できれば理想的です。

10月〜4月は乾燥することが多いので加湿器の使用をお勧めします。6月〜8月は除湿機が必要になるかもしれません。実際には家屋の構造や環境によって屋内の湿度が違います。湿度が高い（カビやすい）家屋では除湿機の使用期間が長くなるでしょうし、湿度が低い家屋では加湿器の使用期間が長くなるでしょう。


3.加湿器の使用上の注意
加熱式の加湿器はやけどに注意してください。
気化式が安全でお勧めです。加湿器はカビが生えやすいので週に1回程度、100倍希釈の塩素系漂白剤で消毒しましょう。詳細は器具の説明書を確認してください。


4.冷房（クーラー）のカビも気になります
室内器の内部が結露してカビが発生します。そのまま運転するとカビの胞子が室内に散布され、アレルギーなどの原因になることがあります。対策として毎日使用後に送風を1時間以上行うと、内部が乾燥してカビが生えにくくなります。タイマー運転が便利です。最近では、自動で送風運転をする機種もあります。月1回はフィルターの掃除をすることもお忘れなく。


5.暖房による空気の汚染と乾燥
1)エアコン、オイルヒーター、赤外線ヒーターなど
空気が汚れない点は優れていますが、かなり乾燥します。加湿器を1日中使うことをお勧めします。（湿度が50％以上あったり、窓や壁に結露が多いときは必要ないでしょう。）

2)石油ストーブ、石油ファンヒーター
空気が汚れますので、1時間に1回、必ず換気をしましょう。石油が燃えると水蒸気がでますので、暖房中は加湿の必要はありませんが、暖房を止めた後は乾燥します。とくに寝室の加湿をお勧めします。



6.石油ストーブなどよる幼児のやけども心配です
3000円から4000円台で販売されているストーブガードを使用してください。
ストーブの上に置いたヤカンの熱湯でやけどした例もありますので、置かないようにしましょう。


7.石油ストーブやファンヒーターの匂いが気になります。
石油臭のする暖房器具は不完全燃焼のために部屋の空気をひどく汚し、呼吸器に悪影響がありますので、修理が必要です。


8.シーズンオフの石油ストーブやファンヒーターのしまい方
1)灯油タンクは完全に空にします。
2)空焚きをして、器具内の灯油を使い切ります。
3)フィルターを灯油で洗浄します。
4)電動ファンなどの埃を掃除機で掃除します。
5)収納は平らな場所に、倒れて中に残った石油がこぼれないように
6)使用前にも試運転して、不完全燃焼がないか確認しましょう。
7)使い残しの灯油は劣化して不完全燃焼や器具の故障の原因になります。小児の誤飲・誤嚥事故に繋がる場合もあります。販売店に引き取ってもらいましょう。


2017.08.24　放送
おひさまこどもクリニック