2020.2.25
おひさまこどもクリニック
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のニュースが流れるたびに、保護者の皆様は不安な毎日だと思います。
確定診断するための遺伝子検査(PCR法)はごく一部の重症例しか受けることができません。そのため、お子さんの発熱や鼻汁、咳などが普通の風邪なのか、新型ウイルス(SARS-CoV-2)によるものなのかを見分けることはできません。
症状が新型ウイルスによるものであったとしても、ほとんどのお子さんは通常の風邪の経過をたどりますので、過剰な心配をしないようにしてください。ただし、高齢者や持病を持っている人に感染するとひどい肺炎を起こすことがあります。
お子さんのウイルスが、おじいさん、おばあさん、他の人にうつらないように普段以上に気をつけてください。咳をしている人はマスクをすること、他の人と2メートル以上の距離を置くこと、しばらくは実家に遊びに行くことを控えたり、集団健診や子育てサークルを控えるなど、できる工夫をしてください。
お子さんの免疫が正常であれば、風邪症状は自然治癒します。経過中に一番注意して欲しいのは、呼吸困難の症状です。熱と咳があり機嫌が悪い、顔色が悪い、鼻翼呼吸(鼻がピクピク)、陥没呼吸(吸気時に鎖骨や肋骨の間が凹む)などの症状に注意してください。
とくに呼吸数は簡便で重要な目安です。吸って吐いてを1回と数えて、1分間に50回〜60回以上の多呼吸は呼吸困難の症状です。すぐに医療機関の受診が必要です。受診前に保健所の帰国者・接触者相談センター（鹿屋 0994-52-2106, 志布志 099-472-1021）に電話相談してください。
<参考資料>
・2020.2.17 厚生労働省 新型コロナウイルス感染症相談・受診の目安(PDF)
・2020.2.12 日本小児科学会 新型コロナウイルス感染症に関するQ&A(PDF)
高齢者が肺炎に至る経過は、沖縄県立中部病院の高山義浩先生作成の図を参考にしてください。
